『ネイビーシールズ』
公式サイト:http://navyseals.gaga.ne.jp/official/
この映画は、そのネイビーシールズの隊員たちを主人公に、彼らのテロ組織との戦いを描いた、超リアル志向の戦争アクション映画である。
本作の特徴は、何といっても、そのリアルさに尽きる。
そのリアルさの根本にあるのは、ネイビーシールズの隊員役として、なんとネイビーシールズの現役隊員たちが出演しているということだ。
特殊部隊を題材としたこういった映画では、主役の俳優のドラマパートでの演技力よりも、特殊部隊としての立ち居振る舞いをしっかり再現できているかの方が気になったりするものだが、こと、この映画に関しては、そういった心配は全くない。
何しろ、劇中の隊員たちの行動や動作のひとつひとつが、すべて本物。
本物のネイビーシールズの戦場でのさまざまな動きを目の当りにできるのだから、サバゲー好きにとってはこの上ない良作と言えるだろう。
「リアル」というより、「正確」と評価する向きがあるのも、うなずけるところ。
しかも、戦場でのアクションだけでなく、劇中の戦術自体もリアル志向。
さらに、アメリカ海軍の全面協力によって、最新鋭の本物の兵器が登場。銃器から潜水艦、さらにはヘリや戦闘機に至るまで、ミリタリーマニアにはたまらない作品となっている。
ちなみに、劇中で使用されている銃はすべて実銃、また、弾もすべて実弾とのこと。
なお、現役のネイビーシールズ隊員に出演してもらうにあたっては交渉が困難を極めたとのことだが、最終的には<リアルなネイビーシールズの世界を正しく記録するチャンス>ということで、承諾が得られた。
そのため、たとえば劇中の会話にしても、普段、隊員たちが実際に行なっているような、略語などを多用する話し方が採用されている。
そういった点に注目して見てみるのも面白いだろう。
また、本作に関しては、あのトム・クランシーが企画協力していることも見逃せない。
トム・クランシーはアメリカのベストセラー作家で、映画化もされた『レッド・オクトーバーを追え』『今そこにある危機』『パトリオットゲーム』の著者でもある。
正確な知識に基づいた、スケールの大きな軍事・政治サスペンスには定評があり、本作の大きな支えとなっている。
ストーリーは、CIAの女性エージェントが中米で拉致されたことに端を発し、まずはその女性の奪還作戦が決行されるのだが、冒頭のこの作戦からして本物感満載の見どころ十分。
その一方で、エンターテインメント系の戦争ドラマとしては、やや物足りない面もある。
ネイビーシールズの隊員たちはキャラが薄く、かつての名作戦争映画のような愛すべき曲者たちの集団といった趣はない。
また、個々の人間性に関わるエピソードも少なく、戦場を舞台とした人間ドラマを期待する人にはあまり向いていないかも知れない。
とにかく、本作の魅力はそのリアルさに尽きる。
本物の軍隊、本物の隊員の協力によって実現された、異色の戦争アクション映画であり、リアル志向のサバゲー好きにとっては、大いに参考になることだろう。
「ネイビー・シールズ」データ
スタッフ | |
---|---|
監督 | スコット・ウォー マウス・マッコイ |
キャスト | ロゼリン・サンチェス ジェイソン・コトル アレックス・ビードフ ネストール・セラノ アリサ・マーシャル ゴンザロ・メネンデス エミリオ・リベラ ディミテル・マリノフ |
製作 | マイク・マッコイ スコット・ワウ |
製作年 | 2012年 |
製作国 | アメリカ |
配給 | ギャガ |
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