世界の特殊部隊

GRUスペツナズ

スペツナズとは、ロシア語で特殊部隊といったものを指す言葉であり、特定の部隊を意味する固有名詞ではありません(ちなみにスペツナズ自体、略称であり、正式にはスペツィアルノエ・ナズナチェニエと言います)。
たとえば、ロシア海軍には海軍スペツナズと呼ばれる特殊部隊が存在しており、そういった意味では、スペツナズと呼ばれる部隊はロシアの多くの組織に存在しています。
この項で取り上げているGRUスペツナズは、そういった、ロシアに存在する数多くのスペツナズの中でも、特に著名な存在です。
GRUスペツナズという名称からもお分かりいただけるかと思いますが、GRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)に所属しており、その練度の高さや数々の実績から、数あるスペツナズの中でも一目置かれる存在となっています。

【GRUスペツナズの主たる任務とは】

GRUスペツナズの主たる任務としては、まず、潜入してのスパイ活動や、戦時の偵察活動などが挙げられます。また、その延長線上の任務として、非合法な武器販売網の摘発などを行なうこともあります。
その他、破壊活動や人質救出作戦、要人暗殺、敵基地への急襲等を行なうこともあるほか、ロシア軍内部の綱紀粛正に従事することもあります。
情報収集と実力行使の両面で力を発揮する部隊であり、非常に特殊部隊らしい特殊部隊ということができます。

【GRUスペツナズの主要装備】

GRUスペツナズの主要装備についてですが、なにせ秘密主義で有名なロシアのことですので、確実と言い切れる情報があまりありません。
ただ、ロシアの特殊部隊ですので、マカロフやAK-74などの旧ソ連またはロシア製の武器を装備している模様です。
また、迷彩服としてはデジタルフローラ迷彩服などが有名ですが、現物を入手するしかないため、サバゲーで使用するには、やや敷居が高いです。
ちなみに、スペツナズに関係があるとされている武器として有名なものに、スペツナズ・ナイフがあります。
これは弾道ナイフなどとも呼ばれるもので、対人戦闘に使用できるナイフの刃の部分を発射できるようになっているものです。
しかし、実際にスペツナズで使用されていたかについては疑問が残る上、一度、発射してしまうと、そのあとの戦闘には使用がほぼ不可能であるなど、性能的にも、やや問題があります。
ですが、そのインパクトとキャッチ―なネーミングから、数々の漫画、ドラマ、ゲーム等に登場しており、スペツナズの武器の中でも知名度はナンバーワンと言えるでしょう。

【GRUスペツナズが関わった主な事件・作戦】

GRUスペツナズは、アフガニスタン紛争や第1次および第2次チェチェン紛争、南オセチア紛争などに投入されています。また、アゼルバイジャンやタジキスタンなどにも派遣されています。
GRUスペツナズが関わった個別の主な作戦としては、アフガニスタン紛争での、当時のアフガニスタン大統領であるハフィーズッラー・アミーン氏の殺害に至った大統領宮殿襲撃や、ソ連崩壊後の第1次チェチェン紛争における、ペルヴォマイスキーでの人質解放作戦などが挙げられます。もちろん、その他にも、警備や敵基地襲撃など、枚挙にいとまがありません。
なお、GRUスペツナズ自体は強力な特殊部隊なのですが、誤って一般部隊のような運用をされた場合には多大な損害を出すケースも過去に実際にあり、あくまで上層部の使い方次第といった一面もあります。

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