世界の特殊部隊

SWAT

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【超有名な警察系特殊部隊だが、実態はいろいろ】

SWATとは Special Weapons And Tactics の頭文字をとった略称です。日本語では特殊火器戦術部隊となります。

映画やTVドラマ、ゲームなどに頻繁に登場しますので、非常に知名度の高い特殊部隊ですが、実はひとくちにSWATといってもさまざまで、対応する任務も異なっています。

これはどういうことかと言いますと、そもそもSWATはアメリカの警察等に所属する特殊部隊なのですが、アメリカ全土で統一されたものではなく、市警などの各法執行機関が、それぞれ独自にSWATを編成しているのです。

SWATの始まりとなったのは、1967年のロサンゼルス市警が最初と言われているのですが、これはLAPD SWATと呼ばれ、あくまでロサンゼルス市警の特殊部隊なのです(LAPD=ロサンゼルス市警の略称)。

その後、LAPD SWATがその実効性を証明したことから全米各地でSWATが結成されましたが、あくまでそれぞれの地域の警察等が別個に組織したもので、SWATという名前の単一の組織が全米に広がったわけではありません。

ちなみに、内容的にはSWATに類する特殊部隊であっても、SERT、SRT等、別の名称になっている場合もあります。

また、現在、アメリカ全土には数千ユニットものSWATが存在しているとされており、人口が数万人規模の町のほとんどにはSWATが存在している模様です。

【SWATの主たる任務とは】

上記のようにSWATの任務は各SWATによって異なっており、同一ではありません。

しかし、その主たる任務が一般の警官では対処できないような凶悪事件への対処であることは間違いがありません。

ただ、あくまでも警察系の特殊部隊ですので、その作戦行動においても人命が優先され、人質の命はもちろんのこと、犯人に関しても射殺より逮捕を優先する傾向があります。

また、事件解決のための方法も力押し一辺倒ではなく、ネゴシエーターによる説得と、武力による突入の二刀流で対処するのが基本です。

その他、SWATにもよりますが、暴動鎮圧や自殺志願者の説得、犯罪組織の制圧、犯罪組織への潜入捜査など、各SWATによって任務は多岐に渡っています。

【SWATの主要装備】

各SWATによって任務が異なるため、装備に関してもさまざまなのですが、サブマシンガン、ハンドガン、ショットガン、スナイパーライフル、スタングレネード、突入時の破壊用のハンマーなどが一般的です。

サブマシンガンに関してはH&K社のMP5が多いようですが、その他の武器に関してはいろいろです。
ですが、それぞれのSWAT内では、すべて同じモデルで統一されています。

たとえば、あるSWATでショットガンにM870を採用していれば、そのSWATではショットガンはすべてM870に統一されており、ちがうタイプのショットガンが混在していることはありません。これは現場での互換性を重視してのことです。

【SWATが関わった主な事件・作戦】

SWATの数が非常に多いため、SWATが関わった事件等についての記述には難しいものがあります。

あくまで警察系の特殊部隊ですので、少数の派手な作戦で名を馳せるというよりは、全米各地で頻繁に発生している凶悪事件への対処が主眼となっています。

また、全米各地にSWATが乱立した影響からか、2005年には全SWATの年間総出動回数が約5万回にもなったという話もあり、実にさまざまな規模の事件に出動していることが推察されます。

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